【 My Diary 】
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バルト三国旅行
 旅仲間の友人に誘われて9月末から10月初旬にかけてバルト三国のツアーに参加した。南のリトアニアからスタートしラトビア・エストニアを訪れ最後にフェリーでバルト海を横断しフィンランドのヘルシンキへ渡り空路帰国するコースだ。バルト三国はその名のとおりバルト海に面し東にロシアと南にポーランド・ベラルーシに接している。国土は氷河に削り取られたことによりほとんどフラットで最も高いところで海抜400mに届かない。国土の大半が森林で覆われており湖も多く、ちょうど黄葉の美しい季節だった。ここは日本人にはあまりなじみのない地域だが、第二次大戦時にリトアニア領事代理だった杉原千畝がユダヤ人へのビザ発給により6千人もの命を救ったことは有名だ。バルト三国は3ヶ国合計で700万人に満たない小国だがそれぞれ民族も言語も異なる。三国は第二次大戦時にソ連に併合された苦難の歴史がある。その際13万人がシベリア追放を受けたり処刑されたりしたという。リトアニアの首都ビリニスでKGBの本部ビルが博物館として公開されているが地下の独房や処刑室を見て寒気を感じた。三国とも1991年にソ連のペレストロイカの混乱に乗じて8月に独立を果たし現在に至っている。
 各国の首都には旧市街(歴史地区)が残されており教会を始め城壁や石作りの歴史的建造物の立ち並ぶ街の景観を見ることができた。私は各都市では市場やマーケットに極力立ち寄るようにしている。その地域の生活の一端を見ることができるからだ。また人々で賑わう広場や通りではカフェのテラスで休憩する事にしている。コーヒーを味わいながら行き交う様々な人々を眺めているのも楽しい。3都市のなかでもラトビアのリガがもっとも賑やかだった。訪れれた日が金曜日であったこともあるが旧市街は夜遅くまで人があふれていた。旧市街として最も美しいのはエストニアの首都タリンだと思う。小高い丘を中心に赤い屋根の教会や建造物が立ち並んでいる。
 3ヶ国を駆け足でまわってみたがパリやローマなどと比較すればやはりローカルな中小都市ばかりである。目を見張るような特別なものはない。しかしながらこのような旅行をとおして各国それぞれの社会や歴史に触れるのは楽しい。古くはフン族の大移動やバイキングとの遭遇、スウェーデンやポーランドによる制圧、ドイツとの交戦とロシアやソ連による併合等、他の欧州各国と同じく民族間の戦いや交流の繰り返し。5月に行ったバルカン諸国も同じような歴史があるが、日本との比較もしながら世界をみるのは楽しいことである。

写真1:リトアニアのカウナスにある旧日本領事館が杉原記念館として保存されている。杉原の執務室で記念写真。
2:ラトビアの首都リガの市場の八百屋、さまざまな野菜が並んでいる。
3:ラトビアのルンダーレ宮殿、この写真だけをみるとベルサイユ宮殿と見間違えるほど。
4:ラトビアのスイスと呼ばれるリゾート地区にあるトゥライダ城、黄葉が美しかった。
5,6:エストニアの首都タリンの旧市街、赤い屋根の街が美しい。
2016/10/11(Tue)

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