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2024/04/14 Sunday
ヤエヤマブキ(八重山吹)

 ヤマブキ(山吹/バラ科)は、サクラとほぼ同じ頃に花期をむかえ、一重咲き(ひとえざき/五弁花)と八重咲きがあるようだ。「太田道灌が[〜鷹狩りに出た折/越生(おごせ)付近で〜など諸説あり」突然のにわか雨にあい、蓑(みの/雨具)を借りようと農家に立ち寄ったところ、若い娘が何も言わず一輪の山吹の花を差し出したので道灌は怒って帰宅した。のちに山吹には「七重八重花は咲けども山吹の実の(「蓑」をかけている)ひとつだになきぞ悲しき(お貸しできる蓑がひとつもないほど貧しく悲しいことです)」の意が託されていたのだと教えられ、後拾遺和歌集の歌を知らなかった自分の無学を恥じ、以後、学問に励んだ」という有名な話が『常山紀談(じょうざんきだん/江戸時代中期の逸話集。著者は儒学者・湯浅常山)』や『雨中問答(西村遠里著,1778)』に記載されているとのこと。『後拾遺和歌集』は諸伝本の数が90本に及ぶようで、[ 七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞあやしき《『後拾遺和歌集』/兼明親王(かねあきらしんのう)》/ 〜実がつかないのが不思議だ〜 ]のもとの歌「なきぞあやしき」から「なきぞ悲しき」へ変化して流布されたきた由。「一重咲きのヤマブキには実がなり、実ができないのは八重ヤマブキだが、自生の八重ヤマブキは数が少なく『七重八重…』のヤマブキは八重ヤマブキというよりは、単に花の重なり合う様子を『七重八重…』と詠んだものではないか」という記述もある。いずれにせよ、太田道灌の学問に対する謙虚な姿勢を見習いたいと思う。
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