公立学校共済の『友の会だより』が届いた(左の画像参照)。今回の特集は「夏井いつき」さんだった。TBSテレビ「プレバト」の俳句指南では、ゲスト出演の俳優さんたちの句をズバリ、一刀両断する歯切れの良さに定評があるが、もともとは中学校の国語の先生だったとのこと。「俳句の原動力は、好奇心です。一つの出来事をしげしげと眺めて観察することで、他人と異なる発想が生まれるようになります。俳句を始めると季語だけでなく、『あの人は何をしているのだろうか?』と興味を持ち、季節の移り変わりだけではない身の回りのあらゆる森羅万象に好奇心を持つことが日常となります。」との記述がある。『みんなのホームページ』へ投稿される鈴木歩観氏の俳句を拝見するたびに、氏の「観察眼」の鋭さや奥行き、「好奇心」に脱帽している。「春の泥 園児の列を 乱しけり」(2022.2.25 投稿)は、水田の畦道(あぜみち)を通過していく、黄色い帽子をかぶった園児たちの一行を詠んだものと思われるが、畦道の霜柱が溶けたためだろうか、畦道がぬかるんでいることや「ぬかるみ」を避けて歩く園児たちが左右に移動する様子が見て取れる。「畦に寝て 風やり過ごす 案山子(かがし)かな」(2021.8.24 投稿)は、水田の案山子が倒れているだけの景色にすぎないが、「人が畦道に気持ちよさそうに寝ころび、その身体の上を風が通りすぎていく」景色にも思われれ、ユーモアを感じる句である。「かかし」は、俳句の世界では「かがし」と濁音の読み方になるというのは新発見である。夏井いつき氏は「私の活動は俳句の種を蒔くことです」と日本全国をまわり、俳句集団「いつき組」組長をつとめ、「組員」さんたちとの句会を楽しむ「セカンドライフ」を送っているようだ。